インドネシアのコスプレ事情と人気のコスプレーヤー・イベント
- 公開
- 2023/11/18
- 更新
- 2023/12/24
- この記事は約6分10秒で読めます。
インドネシアには日本のアニメが好きな人も多く、アニメを観るだけでなく、コスプレをする人もいます。実際にインドネシアで開催されるアニメ関連のイベントに参加すると、コスプレをした人たちの姿をよく見かけます。
日本で誕生したコスプレ文化が、インドネシアでどのように広まり受け入れられているのか。本記事では、インドネシアで開催されるコスプレのイベントや人気のコスプレーヤー、コスプレ衣装を準備するのにかかる費用の例などをまとめました。
円表記は2023年10月26日のレート(1ルピア=0.0095円)で換算し、記載しています。
インドネシアで日本のアニメが人気
インドネシア人に人気のコスプレといえば、日本のアニメキャラクターです。日本のアニメは1970年代頃からインドネシアへ進出し、高い人気を得てきました。ドラえもんやドラゴンボール、セーラームーンといった歴史の長いアニメのほか、鬼滅の刃や呪術廻戦、ハイキュー!!など新しいものまで、多様なジャンルの作品が話題を呼んでいます。
日本のアニメがきっかけで日本語を勉強し始める人も多く、アニメを学習教材として活用している人もいます。また、インドネシア企業が日本のアニメキャラクターとコラボした商品を発売するなど、インドネシア人の生活の中には日本のアニメが自然と入り込んでいます。
インドネシアでコスプレが注目を集めた背景
日本のコスプレ文化は2000年代にはすでにインドネシアへやってきており、そこから徐々にファンを増やしてきました。
インドネシアでコスプレブームを後押ししたのが、SNSの急速な普及です。特にInstagramやTikTokなどの海外のトレンドが自然とタイムラインに流れるSNSが流行ったことで、コスプレに興味を持つ人が増えました。
また、「原神」などのアニメ風の画風のゲームが流行ったことも、インドネシアのコスプレ人気に影響しているとされています。アニメと比べてゲームはキャラクターの衣装が華美なことも多く、コスプレをしたいと感じさせるデザインが多いのが特徴です。
インドネシアで人気のコスプレのイベント
次に、インドネシアで人気のコスプレのイベントを紹介します。
Indonesia Comic Con

Indonesia Comic Conは、インドネシアで毎年開催されるコミックとポップカルチャーの大規模なイベント。コミックやグッズの販売、インフルエンサーによるパフォーマンス、体験型アクティビティなど、さまざまな企画が盛りだくさんです。
特にコスプレ関連の企画の注目度が高く、コスプレ大会の「Raya Championship of Cosplay」では事前に審査を通過したコスプレーヤーたちがステージに立ち、自身のコスプレを披露して創造性や完成度の高さを競い合います。
優勝者には30,000,000ルピア(284,000円)とトロフィー、準優勝者には15,000,000ルピア(142,000円)とメダルが贈呈されるなど、インドネシアの物価から見て賞金はかなり高額です。
Indonesia Comic Con内でのコスプレ大会としては、「FanMate Fest」も人気。優勝者は企業とのスポンサー契約や国際的なコスプレイベントへの招待などの特典を得ることができ、コスプレアイドルへの道が開けます。
CLAS:H
CLAS:Hもインドネシアで開催される大規模なポップカルチャーのイベントです。特にコスプレに重きを置いた企画が多く、大会にはジャカルタやジョグジャカルタ、スラバヤなどでの地域予選を突破したコスプレーヤーが登場します。
それぞれの地域の代表者たちによる決勝戦は、南ジャカルタ市で毎年開催される日本の文化を紹介する祭り「縁日祭」で開催。2023年度の優勝者特典は、名古屋で開催されるコスプレの世界大会「WCS(World Cosplay Summit)」への参加権となっています。
また、同イベントにはコスプレーヤーだけでなく多くのコスプレ用品製造会社も参加。ファン同士の交流に加え、企業によるプロモーションの場としても活用されています。
参考:CLAS:H
Gelar Jepang UI
Gelar Jepang UIは、インドネシア大学の日本研究プログラムの学生が手がけているイベントです。大学が主催する日本関連のイベントとしては最大の規模で、ワークショップや音楽コンサート、各種コンテスト、セミナーなどさまざまな催しが行われます。
コスプレ大会「Coswalk Competition」も開催され、参加するコスプレーヤーは制限時間内にキャラクターを演じるパフォーマンスを披露します。
審査にはインドネシアで有名なコスプレーヤーのClarissa Punipun氏などが参加。2022年度の優勝者には750,000ルピア(7,100円)と盾、準優勝者には500,000ルピア(4,800円)が贈られました。
Gelar Jepang UIはコスプレに特化しているわけではありませんが、1994年から続く歴史の長いイベント。日本の文化が好きな人たちが集まる貴重な場として親しまれています。
参考:Gelar Jepang Universitas Indonesia
インドネシアで人気のコスプレーヤー
次に、インドネシアで人気のコスプレーヤーを紹介します。
Clarissa Punipun
Clarissa Punipun氏は、多彩な才能を活かし、コスプレーヤー、ゲーマー、音楽アーティストなどとして活動しています。特にコスプレ分野での活躍が目立ち、過去にはNHK WORLD-JAPANの番組「NHK Kawaii International」でファイナリストに残りViewer’s Choice Award(視聴者から選出された賞)を受賞したことも。福岡のくらて学園で行われたコスプレイベントにも参加した経験があります。
インドネシアのコスプレ界では超有名人であり、国内のコスプレイベントではよくゲストや審査員を務めています。
参考:Clarissa Punipun
参考:Clarissa Punipun 「Kurate Gakuen Fukuoka Japan | By Clarissa Punipun」
Kame Aam
Kame Aam氏は、2つのInstagramアカウントで合計100万人を超えるフォロワーを持つコスプレーヤーインフルエンサーです。同氏は人気のeスポーツゲーム「Mobile Legends」のキャラクターを高いクオリティで再現したことで注目を集めました。
ゲームやアニメの最新トレンドを発信するインドネシアのメディアDunia Gameで「インドネシアで最も美しいコスプレ―ヤー10人」にも選ばれ、美しい容姿とセクシーなコスプレ衣装で多くの人を虜にしています。
参考:Aam Amanah
Sherlin Tsu
Sherlin Tsu氏は、コスプレーヤーやeスポーツのライブ配信者、モデルとして活躍しています。同氏のコスプレは着物など日本らしさが感じられるもののほか、全身タイツでスパイダーマンの格好をするなど、ジャンルが多彩です。
「Baby Shark」の愛称でインドネシア国外にも多くのファンがいる同氏は特にeスポーツ分野での活動に力を入れており、今後は自分自身でゲームを開発したいとも話しています。
参考:ONE ESPORTS「Sherlin Tsu: Dari ‘Tuan Putri’ hingga sewa kost seharga uang jajan sehari」
Mayumi Reena
Mayumi Reena氏は、東京で開催された「Tokyo Game Show2018」にコスプレーヤーとして参加したことをきっかけに知名度が上がった、人気のコスプレーヤー。日本のアニメのほか、ファイナルファンタジーやキングダムハーツなどゲーム関連のコスプレが多いのが特徴です。
同氏は2014年からコスプレを始め、現在は東京に住みながらインドネシアの人向けにコスプレの情報を発信しています。
参考:Mayumi Reena
Lola Zieta
Lola Zieta氏もMayumi Reena氏と同様に、「Tokyo Game Show」に参加したコスプレーヤー。同氏はビデオゲームシリーズ「Cyberpunk 2077」のコスプレ大会で優勝し、「Tokyo Game Show2019」への出場権を獲得しました。
同氏は2013年から自身のコスプレ写真をSNSに投稿し始め、そこから一気に注目を集めることになります。特にゲームが好きな人たちの間で人気が高かったことから、「Jurit Malam – Lola Zieta」というタイトルのゲームも開発されました
参考:Cooler Master
参考:Jurit Malam – Lola Zieta
インドネシア人のコスプレ衣装へのお金のかけ方と予算例
それでは最後に、インドネシア人のコスプレの衣装へのお金のかけ方と予算を紹介します。コスプレ衣装にどのくらいのお金をかけるか、予算の相場はいくらかなどは人によって異なるため、あくまで参考例である点に留意してください。
レンタルサービスを利用する人が多い
コスプレ衣装は高額なものが多いため、レンタルサービスを利用するのが一般的です。コスプレを貸し出しているのは個人が多く、もともとコスプレーヤーで衣装を大量に持っていたオーナーがサービスを始めたケースがよく見られます。
例えばコスプレンタルを行っているショップ「O.Rent Sanjou」では、衣装を借りられるだけでなく、安全ピンやウィッグキャップも購入可能。衣装を綺麗に着るのが難しい人をサポートするサービスも行っており、安価で気軽にコスプレを楽しみたい人のニーズに応えています。
参考:O.Rent Sanjo
予算の参考例
上述の「O.Rent Sanjou」の情報をもとに、日本のアニメ「推しの子」のキャラクターである黒川あかねのコスプレセットをレンタルするのにかかる費用は、およそ以下の通りです。
料金:800,000ルピア(7,600円)、レンタル期間1~3日間
- レンタルセット
- ウィッグ
- Mサイズのシャツ
- Mサイズのカーディガン
- Mサイズのスカート
- 青いネクタイ
- 黒い靴下
衣装だけの場合、あるいはウィッグだけの場合は60,000ルピア(600円)で貸し出しています。「O.Rent Sanjou」以外のレンタルサービスを見ても、単品なら数百円、セットで1万円前後の価格でコスプレ用品を貸し出しているところが多く、1時間で数千円以上する場合が多い日本と比べると、かなり安いといえます。
コスプレ文化からみえるインドネシアと日本の関わり
インドネシアのコスプレ市場は日本ほど大きいわけではないため、現段階ではコスプレの専門店などもあまり多くありません。
しかし、コロナ禍が落ち着きコスプレのイベントが開催されるようになったこと、SNSが普及してコスプレの情報が仕入れやすくなったことなどから、これからインドネシアでコスプレ市場が成長する可能性も十分にあります。
インドネシアと日本の関係を詳しく知るうえで、コスプレを1つの切り口として調べてみるのも面白いかもしれません。インドネシアのエンターテインメント事情が気になる方は、本記事を参考にしてみてください。
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インドネシアでコスプレは人気ですか?
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インドネシアでは、特に日本のアニメが好きな人たちからコスプレは人気です。インドネシアでコスプレをする人が増えた背景には、SNSで国外のコスプレ文化を知れるようになったこと、コスプレしたくなるようなアニメ風の絵柄のゲームが流行ったことなどが挙げられます。
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インドネシアで開催されるコスプレのイベント・大会について教えてください。
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インドネシアのコスプレのイベント・大会には、Indonesia Comic Con、CLAS:H、Gelar Jepang UIなどがあります。
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有名なインドネシア人コスプレーヤーを教えてください。
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有名なインドネシア人コスプレーヤーには、Clarissa Punipun氏、 Kame Aam氏、Sherlin Tsu氏、Mayumi Reena氏、 Lola Ziet氏などがいます。
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記事の内容にも自信がありますし、新しい情報が入り次第適宜アップデートもしています。これだけ手間ひまかけて生み出した記事はできれば一人でも多くのインドネシアのビジネス関係者に読んでもらいたいです。
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