インフレが続く中、インドネシアの中間層の消費動向は
- 公開
- 2023/01/28
- 更新
- 2023/09/01
- この記事は約7分56秒で読めます。
インドネシアでは、経済発展に伴い、「中間層(中間所得層)」の割合が増えています。中間層の定義は調査機関によって異なるものの、日本の経済産業省の区分に従うと、インドネシアの中間層は総人口の約70%を占めます。
本記事では、インドネシアの経済成長を支えてきた中間層が、インフレに際しどのように消費パターンを変化させるかに関する調査結果を紹介します。また、インドネシアにおける中間層の割合の変化や、経済成長における役割、今後の課題についてもご説明します。
インドネシア人の70%が「中間層」
以下では、シンガポールのDBS銀行(旧名シンガポール開発銀行)の研究グループDBS Group Researchが実施した調査結果をまとめた記事ICONOMICS「Riset DBS Ungkap 7 Pola Konsumsi Masyarakat Indonesia Menghadapi Ancaman Resesi Global」を元に、インフレと景気後退の脅威が、インドネシアの中間層の消費パターンをどのように変化させるかについて見ていきます。
「インドネシア消費バスケット」と名付けられたこの調査は、2022年11月にインドネシアの中間層700人以上に対して実施されました。同調査では、世帯月収によって中間層を下位から上位までの3つのクラスに区分しています。
- 下位中間層:世帯月収500万ルピア(約4.4万円)以下
- 中位中間層:世帯月収510万~3,000万ルピア(約4.4万円~26.1万円)
- 上位中間層:世帯月収3,010万~1億ルピア(約26.2万円~87万円)
円表記は2023年1月30日現在の交換レート(1ルピア0.0087円/1ドル130円)で換算したものです。以下同じ。
なおこの調査における中間層の定義は、比較的広くなっています。
例えば日本の経済産業省の区分では、世帯月収約5.5万円~38万円が「中間層」という位置づけとなっています。つまり、経済産業省の区分における「中間層」は、DBS Group Researchの区分の中位中間層とほぼ一致します。これについてまとめたのが以下の図です。

それでは、今回のDBS Group Researchの調査からわかったインドネシアの中間所得層の消費動向について見ていきましょう。本調査における「中間層」は、言い換えれば「富裕層と貧困層を除くインドネシア人の大部分」だということを念頭に、読み進めてみてください。
インフレに直面するインドネシアの中間層
共通のトレンド
インフレは現在最大の懸念事項
調査結果によると、インドネシア人の多くは「パンデミックはほぼ終わった」と見ており、次の課題としてインフレを挙げる人が多くなっています。実際に、回答者の98%が物価上昇の傾向を感じていると回答しました。
インフレの原因については、回答者の55%が主に「燃料価格の上昇とロシアのウクライナ侵攻」の2つだと認識しています。次いで、「コロナ禍におけるサプライチェーンの混乱」が19%、「FRBの利上げ」が16%などとなっています。
ガソリンと食品が最重要項目
2022年11月、インドネシアのインフレ率は年率換算で5.42%に達しました。回答者の54%が、家計の支出が国のインフレ率を超え、10%以上増加していると感じています。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
インドネシア市場向けにライブコマースを実施してみませんか
インフルエンサーの手配・交渉からライブの手配まで全て支援致します。
-
WEBからお問い合わせ
ご相談はいつでも無料24時間受付(2営業日以内に返信いたします)
-
すぐにでも日程調整を行いたい
日程調整フォームへ代表の柳沢が説明いたします。
カケモチのサービスについて
詳しく紹介しているページ
Warning: Undefined array key "login_begin" in /home/mizy/www/flow-t.net/kakemochi_dev/wp/wp-content/themes/kakemochi20250206/footer.php on line 51
Warning: Undefined array key "a" in /home/mizy/www/flow-t.net/kakemochi_dev/wp/wp-content/themes/kakemochi20250206/footer.php on line 56